先日の朝日新聞の天声人語は「原爆が落ちた」と書く。原爆はリンゴじゃないから自然に落ちない。誰かが落とした。

2023年8月10日

以下は、本日発売された週刊新潮の掉尾を飾る高山正之の連載コラムからである。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。

随分前に、世界中のプリマから大変な尊敬を受けているモナコ王立バレエ学校の老女性教授が来日した。
その時に彼女が芸術家の存在意義について語った言葉である。
『芸術家が大事な存在なのは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する事が出来る唯一の存在だからです。』
彼女の言葉に異議を唱えるものはいないだろう。
高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであるだけではなく、戦後の世界で唯一無二の芸術家と言っても全く過言ではない。
一方、大江…彼については、故人を悪くは言いたくないが(下記の高山正之に倣って言えば)村上等、作家と称する人間達、自分達を芸術家だと思いこんでいる人間達の多くは、芸術家の名にも値しない存在なのである。
何故なら、彼らは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する、どころか、朝日新聞等が作り出した嘘を表現して来ただけの人間達だからである。
彼らの様な存在は、日本に限らず、世界中の国においても同様なはずである。
つまり、真の芸術家とは、極少数しか存在していないのである。
私が、今の世界で、最もノーベル文学賞に相応しいのは、高山正之を措いて他にはいない、と言及している事の正しさを、本論文も見事に証明している。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。

原爆はリンゴか
ハリー・トルーマンミズーリ州の貧しい農家の息子に生まれた。 
リンカーンクリントンも貧農の息子だが、二人は苦労して大学に行って大統領になった。 
ハリーは大学には行かずにクー・クラックスークラン(KKK)に入って白人優越主義を学んでから大統領になった。 
ただ大統領選は戦ってはいない。
無名の彼をF・ルーズベルト(FDR)が副大統領に取り立ててくれた。 
お礼を言いに行ったらもう死んでいて、その場で大統領就任式が行われた。 
ホワイトハウスのスタッフが誰も知らない新大統領が誕生し、FDRのやっていた極秘のあれこれを引き継いでいった。 
中にマンハッタン計画があった。
一つの都市を一瞬で消滅させる悪魔の兵器原爆を作っていた。 
驚いたことにウラン型はとっくにできていて、もう一つの、安価で大量生産できるプルトニウム型も完成間近だった。 
投下する都市も京都を筆頭に5番目まで決まっていた。
その破壊力を正確に測るために「B29による空襲は控えている」と担当官は言った。
広島に空襲がなかったのはそれが理由だ。 
KKKハリーは笑って頷いた。
「いいだろう。獣を扱うときは獣として扱わねばならない」 
S・リンドクヴィストの『すべての野蛮人を根絶やしにせよ』は有色人種の効果的淘汰を嬉しそうに競い合う白人の姿を描いている。
ハリーもその中に入れるべきだった。 
彼はその3ヵ月後にポツダム会議に出た。 
グルジア出の小男スターリンが新参のハリーを侮ったが、そこにアラモゴルドでのプルトニウム型原爆の実験成功の知らせが届いた。 
ハリーは舞い上がり、日本への原爆投下を命じた。
オレはグルジア人も黙らせる最強の白人になった。 
前後して「日本がソ連を通じて終戦工作を模索」の情報が入った。 
そんな話が出たら原爆が落とせなくなる。
ハリーは聞こえない振りをした。 
かくてウラン型は京都が広島に変更されただけで、予定通り無警告で無邪気に朝を迎えた市民の頭上600メートルで爆破された。
プルトニウム型は長崎に落とされた。
米軍捕虜が市内に多数いることが分かっていたが、ハリーは気にしなかった。 
投下後ハリーは「このままでは200万米兵が死ぬ。戦争を終わらすためやむを得なかった」と語った。 
日本軍は毎日20万のアジア人を殺し続けているという数字も出された。 
しかしそんな嘘で原爆の惨状は糊塗できなかった。
ハリーは言い訳を始めた。 
彼はまず「広島市民に事前警告をした」と言った。 
東京裁判の判事レーリンクはタイムカプセルに入れた原爆の映像を見ている。
「中で三度、広島市民に事前警告したとあった。500年先まで米国は世界を騙せると思っている」 
GHQも原爆投下が当然と思わせるように南京大虐殺などの嘘を捏ね上げて日本人を洗脳していった。
『日本人に贖罪意識を植え付け、心理的に米国に対して原爆の非道を非難させないように。 
「過ちは繰り返しませぬから」はその成果の一つだ。 
「日本の教科書も米国が原爆を落としたという事実を書かせないよう管理されている」とプーチンもヴァルダイ会議で指摘した。 
日本のメディアも教科書と同じ。
先日の朝日新聞天声人語は「原爆が落ちた」と書く。 
原爆はリンゴじゃないから自然に落ちない。
誰かが落とした。
でも朝日は米国に従いリンゴと同じと思い込ませようとする。 
ハリーはそういう小まめな後始末の他にもう一つやったことがある。 
原爆投下機エノラゲイスミソニアン博物館にこっそり預けたのだ。 
そして原爆投下50年目にエノラゲイをワシントンDCに飾り、広島の大量殺戮の偉業を祝った。 
75周年にはアラモゴルドを国立公園にした。
原爆はハリーの時代から変わらずお祝い事なのだ。