殺人犯キリノ…それを隠してまで日本を貶める嘘をまことしやかに語り継ごうと言うのか。

以下は本日発売された週刊新潮の掉尾を飾る高山正之の連載コラムからである。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。

随分前に、世界中のプリマから大変な尊敬を受けているモナコ王立バレエ学校の老女性教授が来日した。
その時に彼女が芸術家の存在意義について語った言葉である。
『芸術家が大事な存在なのは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する事が出来る唯一の存在だからです。』
彼女の言葉に異議を唱えるものはいないだろう。
高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであるだけではなく、戦後の世界で唯一無二の芸術家と言っても全く過言ではない。
一方、大江…彼については、故人を悪くは言いたくないが(下記の高山正之に倣って言えば)村上等、作家と称する人間達、自分達を芸術家だと思いこんでいる人間達の多くは、芸術家の名にも値しない存在なのである。
何故なら、彼らは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する、どころか、朝日新聞等が作り出した嘘を表現して来ただけの人間達だからである。
彼らの様な存在は、日本に限らず、世界中の国においても同様なはずである。
つまり、真の芸術家とは、極少数しか存在していないのである。
私が、今の世界で、最もノーベル文学賞に相応しいのは、高山正之を措いて他にはいない、と言及している事の正しさを、本論文も見事に証明している。
本論文は朝日新聞が見下げ果てた反日プロパガンダ新聞であることを、これ以上ない程に見事に明らかにしている。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。

殺人犯キリノ
19世紀末、米国はスペインと戦争してフィリピンを目国の植民地にした。 
独立を期待した民は怒り、アギナルド将軍の下、4年間も歯向かった。
サマール島では米軍一個小隊を全滅させる戦果を挙げた。 
米司令官アーサー・マッカーサーは怒って報復に同島と隣のレイテ島の住民10万人を殺した。
子供は除けと命じたが「一人もいなかった」と部下は報告した。 
米軍は残忍で、抵抗する者はゲリラと見做し、家族も同罪として、拷問の末に殺していった。 
米上院公聴会には「被害数は20万」の証言が残るが、それは内輪すぎる。
その3倍は堅かった。 
その極悪米軍が40年後に日本軍に叩き出された。
代わってマニラに入った日本軍は民家の接収すらせずに競馬場を宿営地にした。 
フィリピン人の政府が置かれ、アギナルドも顧問として加わった。
ハイアライの競技場もすぐ再開され、スペインのフランコ総統の謝辞が届けられた。 
そんな長閑さも間もなく終わる。 
昭和20年2月、日本軍は最後の決戦を前にサントトーマス大に収容していた欧米民間人3780人を米軍に引き渡した。
戦火の巻き添えにしないための日本人らしい措置だった。
しかし敵の司令官はダグラス・マッカーサー
あのレイテ大虐殺をやったアーサーの息子だった。 
彼はマニラが日本軍とフィリピン人だけになると、空と海から市街に向けて砲弾の雨を浴びせた。 
市街は二週目を待たずに廃墟と化し、日本軍1万は全滅し、逃げ場を失った市民も多くが殺された。 
父の虐殺数を凌ごうというダグラスの堅い決意が感じられた。 
それから7ヵ月後。
東京に入ったダグラスはマニラの犠牲者数が10万人に上り、それが日本軍による虐殺だったとする「比島戦における日本軍の残虐行為」を新聞に掲載させた。 
マニラを廃墟にした米軍の砲爆撃での犠牲者はゼロだったという意味だ。 
余りのアホらしさに朝日新聞は「求めたい軍の釈明」と、事実の相互検証を求める記事を載せた。 
GHQは即座に朝日を発刊停止し、ダグラスは「お前らは我々(白人)と対等と思うな」と言った。 
かくて日本軍がマニラ市民10万人を虐殺したという「史実」が創られた。 
そのお先棒を担いだのがGHQに脅されて転んだ朝日だった。 
日本軍は悪かったと言えば米国は喜んだ。
原爆投下も正当化できる。
そこに付け込む者も出てきた。 
比大統領に就いたエルピディオ・キリノだ。
華人の出で妻と子供3人は米軍の爆撃で死んでいた。 
しかし彼はマッカーサーに乗じて妻子は日本軍に殺されたと言い出した。 
「妻は機関銃で撃たれ、3歳の娘は放り上げられ銃剣で刺された」と。 
彼は大統領就任の日、モンテンルパに繋がれた日本人戦犯3人を門出の祝いに吊るした。 
大統領の初仕事は対日賠償請求で、キリノは80億ドルを吹っ掛けた。
相場の20倍に当たる。 
日本側が拒絶するとキリノはその日の内に14人の戦犯を処刑した。 
フィリピンでの戦犯法廷はいい加減で、行ったこともない島での事件や子供が指差しただけで79人が死刑宣告されていた。 
執行はまだ2回。
何度でもやってやるというのがキリノの交渉術だった。 
さすがの米国もこのあくどい恐喝外交を放っておけなかった。
国務長官が飛んで行ってやめさせた。 
吊るせない戦犯などいらない。
キリノは戦犯全員を解放した。 
己の権力誇示と恐喝のために17人も殺して恥じない。
これほどモラルを欠いた男を他に知らない。 
そしたら先日の終戦記念日に朝日がこの男を大々的に特集していた。
タイトルは「妻子を殺されても、選んだ赦し」だと。 
17人の処刑はこの男がやった。
公知のことだ。 
それを隠してまで日本を貶める嘘をまことしやかに語り継ごうと言うのか。