〈「菅降ろし」の過熱ぶりに、私は強い違和感を覚える。(中略)ふだんは立場の違う政治家やメディアなどが寄ってたかって引きずりおろす様子は、溺れる犬をたたくようにみえて気にくわない。〉(松下秀雄・論説委員「『菅降ろし』にみる政治の病」17月14日付)
〈ここは、勝負どころだ。首相の座を去る前に、脱原発へ強いメッセージを出してはどうか。七転び八起きの「八起目」で、思い切り「虎の尾」を踏み込んでみるのも一つの決断だと思う。〉(星浩・編集委員「菅氏の八起目 脱原発へ『虎の尾』踏み込め」6月18日付)
彼らは紙面でラブコールを送っているだけではない。
例えば若宮氏は、主筆になってすぐの5月14日に首相公邸に菅氏を訪ねている。星氏は昨年12月23日、読売、毎日の幹部とともに高級料亭「うかい」で菅氏と“秘密会談”を行なった。
ほかにも同紙幹部はたびたび菅氏と会っているが、それらの会合は「取材」とは呼べないものだ。会合の中身は一切、報じられないからである。それどころか、幹部と官邸の「ただならぬ関係」によって、政治や世論がミスリードされている疑いすらある。
内閣不信任案が採決された当日(6月2日)の朝刊で朝日は“スクープ”を打つ。 〈不信任案、民主造反拡大首相、可決なら解散意向〉 結果はご存じの通り、菅氏が「ペテン演説」で辞任を偽装し、不信任案が否決されてから居座りに転じた。
ところが直後の紙面で同紙は堂々とこう書いたのだ。
〈私はその直前、何度か菅氏と電話で話した。官邸からは造反を抑えるため、「首相は不信任案が可決されれば解散する意向を固めた」という情報が意図的に流されていた。だが、電話口の菅氏は、決して「解散」という言葉を口にしなかった〉(鮫島浩・政治グループ次長
「菅首相 解散の覚悟はなかった」6月11日付)
同紙の幹部は、まるで菅政権の「お庭番」である。
…後略。