TTOCJapan’s blog

日本の近現代史・政治・経済・文化・芸術を縦横に論じ、時に音楽や写真、国際問題も交えて綴る、知的で批評性に富んだ長寿ブログ。

まず電力不安解消を 経済同友会代表幹事…日経3面から。

復興と成長の両立    文中黒字化と拡大は芥川
 
東日本大震災で傷ついた日本経済の正常化が進んでいる。だが電力不足や円高という重荷から解放されたわけではない。震災からの復興と持続的な成長の両立を迫られる日本の課題は何か。経済同友会の長谷川閑史代表幹事(武田薬品工業社長)に聞いた。

政治リスク重く
 
―-足元の景気は持ち直しています。
 
「着実に回復しつつある。最も大きいのはサプライチェーン(供給網)の復旧だ。ただ個人消費の足取りが確かではない。震災復興の予算を早く執行し、景気に勢いをつけるのが望ましい」 

-ーリスク要因は何でしょうか。
  
「産業界が困るのは円相場の急激な上昇と独歩高だ。国際的に事業を展開している企業の業績を直撃する。各国が通貨安を競っている感じすら受けるなかで、日本は手を打たなくてもいいのか。当局にできることをやっていただきたい」

  
「政治のリスクも強調しておく。strong>何事も決まらず、すべてが実行されない。今年の冬から来年にかけての電力供給見通しを何度聞いても、きちんとした答えが政権から返ってこない。極めて不安定な状況にある」
 
――菅直人首相の「脱発依存」宣言もあまりに唐突でした。

 
「グランドデザインがないまま、政策課題だけをぽんぽんと言われる。意見調整もほとんどしていない。社長が取締役会の承認を得ないで方針を打ち出し、担当の取締役が『私の知らないことを言っている』と慌てるのと同じだ。企業だったらつぶれますよ」
  
「6月の新成長戦略実現会議では『原発の再稼働を認めない限り、安定的な電力供給は難しいのではないか』と申し上げた。ストレステスト(耐性検査)は悪くないが、しっかりとした絵を描かないから混乱が増す。電力不足には非常な危機感を持っている」
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ー-同友会は「縮原発」を掲げましたね。
  
「原発の増設は難しいが、ある程度は依存せざるを得ない
。依存の程度は技術の進歩などを踏まえて考えなければならないだろう。『脱原発』とは一線を画すつもりだ」

増税議論尽くせ
ー-震災復興には今後10年間で約23兆円の費用がかかるようです。
  
「日本のモデル事業になるような復興をやろうじゃないかと誰もが思っている。例えば2015年からの導入を目指す社会保障・税の共通番号は、被災者の把握や処方薬の確認にも役立つ。復興のひとつのシンボルとして、東北地方で先行実施してもいいのではないか。もちろん経済特区の採用も重要だろう」
  
「その財源は復興基金債で調達し、償還費用を復興税で賄ったらどうかと申し上げている。ただ法人税と所得税の増税については、よく考えていただきたい。消費税の増税は社会保障と税の一体改革のために取っておきたいのだろうが、震災復興に活用することも検討してほしい」
 ――電力不足や増税の負荷がかかる今だからこそ、成長戦略を加速しなければなりません。
  
「法人減税や環太平洋経済連携協定(TPP)への参加は後退すらしようとしている。こういう問題はボディーブローのように効いてくる」
  
「短期的には成長市場に出ていくしかない。新興国の成長を取り込むのが最も効果的だ。外国人労働者の受け入れや対内直接投資の拡大、国内産業の再編、サービス業の競争力強化にも取り組まなければならない」
  
「政治の停滞は確かに問題だが、文句ばかり言っても仕方ない
。企業が自分で実行できるものは全部やるべきだ」
 
(聞き手は編集委員 小竹洋之)