東芝メディカル 中国生産を拡大 日立メディコ 中東に販社新設
医療機器各社が新興国事業の拡大に乗り出す。東芝メディカルシステムズが中国やブラジルで現地生産を拡大するほか、日立メディコが中東に販売会社を新設。
日本光電は中国、ブラジルなどで販売拠点を増強する。医療機器の需要が増大する新興国では現地企業や欧米勢が高いシェアを握る。後発となる日本企業は開発や販売、マーケティングなどの機能を現地で拡充、市場動向の変化にきめ細かく対応することで事業拡大を狙う。
東芝メディカルは中国・大連にある自社工場で生産を拡大し、世界生産に占める中国の比率を現在の5%から、2013年3月期までに10%に引き上げる。コンピューター断層撮影装置(CT)やエックス線診断装置などについて、現地向けモデルの開発から生産までを一貫して手掛けられる体制を構築する。
今秋には数億円を投じて北京市に医療機器のサービス・展示拠点を新設し、営業体制も強化する。中国に並び需要拡大が見込まれる中南米向け事業も強化する。12年中にもブラジルに新工場を建設し、中南米向けの開発・生産拠点とする計画だ。
新興国を中心とする海外事業の強化で、12年3月期の総売上局を現在の1・8倍の4500億円に引き上げる方針だ。日立メディコは今秋以降にエジプトに販売会社を設立するほか、9月にもインドに事務所を新設。修理・メンテナンスのサービス体制も整備。
中東やインド市場向けには、12年夏以降に稼働を予定する中国・蘇州の新工場でコスト競争力の高い新興国モデルを投入する予定だ。
このほか、生体モニターなどを手掛ける日本光電は12年3月期中に中国の成都や西安などに販売拠点を新設する予定。
上海には開発拠点を設け、中国および新興国市場向け製品の投入を急ぐ。さらに12年3月期中にブラジルに販売会社を新設。将来は現地生産も視野に入れ、中南米やメキシコ市場の開拓を進める。
約20兆円とされる医療機器の世界市場のうち、画像診断装置や患者モニター機器など主要20品目の09年の世界市場は3兆1713億円(富士キメラ総研)。医療費削減の動きが世界的に広がるものの、15年には09年比21%増の3兆8351億円まで拡大する見込みだ。
所得の伸びを背景に中国や東南アジアなど新興国が市場をけん引する。