ルーズヴェルト政権内部の「工作員」たち 

工作員・協力者がソ連コミンテルンによる対米工作活動に従事しており、そのなかには多くの政府高官も含まれていたことが明らかになっている
2018年10月21日
以下は日本国民及び世界中の人の必読の書…21世紀に知性を持って生きている人間全員が必読の書である江崎道朗の労作からの抜粋である。
彼の労作を読めば、朝日新聞などや彼らの放送局及びNHKなどや野党政治家、いわゆる文化人、いわゆる市民団体などが、何故、私が言及し続けている様な態様であるのかが明瞭に分かるだろう。
つまり江崎道朗の以下の最新刊は歴史的な本なのである。
前文省略。
ルーズヴェルト政権内部の「工作員」たち 
かつて、「アメリ共産党」とか「コミンテルン」などというと、頭のおかしい謀略論として一笑に付されていた。 
大きな転機となったのは1995年、ヴェノナ文書がアメリカ政府の手によって公開されたことだ。
ヴェノナ文書とは、1940年から1948年までのあいたに米陸軍情報部が秘密裡に傍受し、FBI(連邦搜査局)とイギリス情報部が協力して解読した、アメリカ国内のソ連工作員とモスクワとの暗号通信の解読記録である。 
このヴェノナ文書の公開によって、「コミンテルン」や「アメリ共産党」の対米工作がルーズヴェルト民主党政権第二次世界大戦に与えた影響を研究することが「学問」として成り立つようになった。 
「インテリジェンス・ヒストリー」という。 
この学問の存在を教えて下さった京都大学名誉教授の中西輝政氏によれば、1990年代以降、ヴェノナ文書などの機密文書が情報公開されることを受けて欧米の主要大学で次々と情報史やインテリジェンス学の学部・学科あるいは専攻コースが設けられ、ソ連コミンテルンの対外工作についての研究も本格的に進んでいる。 
この動きは英語圈にとどまらず、オランダ、スペイン、フランス、ドイツ、イタリアなどにも広がっている。
いまやインテリジェンス・ヒストリーを大学の学部・学科として研究していない先進国は、日本ぐらいなのだ。 
このインテリジェンス・ヒストリーの進展とヴェノナ文書の公表によって、日米戦争を戦ったアメリカのルーズヴェルト民主党政権のなかに少なくとも300人を超える工作員・協力者がソ連コミンテルンによる対米工作活動に従事しており、そのなかには多くの政府高官も含まれていたことが明らかになっている。 
しかも、こうした「研究成果」は、日米戦争とその後の占領政策に関わる歴史の全面的見直しを迫るものでもあった。 
というのも、ヴェノナ文書でソ連コミンテルン工作員だと判明した政府高官の多くが日米戦争と、その後の対日占領政策に大きく関わっていたからだ。 
ヴェノナ文書とFBIの調査によれば、「シルバーマスター・グループ」という連邦政府内の工作員組織一つをとっても、判明しているだけで27人のメンバーがおり、少なくとも六つの省庁にまたがっていた。
要職にあった者も多く、有名どころだけでも次のような人々が含まれている(括弧内はコードネーム)。 
ハリー・デクスター・ホワイト財務次官補(「ロイヤー」、「ジュリスト」など) 
アルジャー・ヒス国務長官上席補佐官(「アレス」) 
ラフリン・カリー大統領補佐官(「ペイジ」) 
三人とも、日米開戦や戦後の国際秩序を決定したヤルタ会談などに関与した人物であり、日米関係史を語るうえでなくてはならないキーマンばかりだ。しかも、このシルバーマスター・グループは、中国共産党毛沢東とも密接に連携していた。 
日本との関係でいえば、東京裁判や現行憲法の制定を含む対日占領政策の策定に、ソ連コミンテルン工作員たちが深く関与していたことがわかってきている。
アメリカが対日占領政策を実施し、日本を弱体化した」といった単純な見方は修正される必要が出てきたのだ。 
なお、ソ連による対外工作機関は主として三つの系統があった。 
第一が、コミンテルンだ。
1919年にレーニンによって設立され、世界各国の共産党
「国際本部」として、国際共産主義運動を指導した。
1943年に解散したが、そのネットワークはその後も続いた。 
第二が、ソ連の諜報・保安機関である「国家保安委員会」だ。
スターリン時代は、GPUとかNKVDと呼ばれたこともあり、第二次世界大戦後はKGBと呼ばれるようになった。 
第三が、ソ連軍(赤軍)の諜報機関で「参謀本部情報総局」だ。
組織名称は時代によって変わっているが、一般的にはGRUと呼ばれる。
正確には、ソ連海軍の諜報機関として海軍GRUもあり、独自の動きをしていた。 
この三つの対外工作機関は時代によって名称も、お互いの関係も複雑に変わってきていて、工作員や協力者もその所属を折々に変えることもあったが、ソ連の指導者であったレーニンそしてスターリン工作員であったという意味では、本質的な違いはない。 
そこで本書では便宜的にソ連共産主義勢力による対外工作機関の工作員を「コミンテルン工作員」と総称することにする。
ご容赦いただきたい。 
この項続く。

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