開発事業者に対する優遇ではないのだ。彼等は極言すれば只同然、丸儲けの価格で取得出来たのだから、これ以上、何の優遇措置を与える必要がある?

優遇措置は進出企業に与えるべきもの。
2010年07月19日
大阪再生の最後の土地について大阪市が税制上のメリットを出す事に反対する者は居ません。
反対する者がいたとしても党利党略で動く人たちだけでしょう。
皆、大阪再生を牽引する物は北ヤードしかない、と知り抜いているからです。
構造変化に見舞われた米国の大都市の全てが、街の再生を計り新たな都市計画を立てた際に、新たに住宅を取得して移住してくる人びとや、進出企業に税制上のメリットを与えた様に、役所が出来る事は税制上のメリットを与える。この一点だけです。
大阪市指導力発揮を、と朝日新聞は、9/23書きましたが、これこそ彼等の陥穽なのです。
今の大阪市役所に指導力を発揮できる本当のエリートは、多分、一人も居ませんし、役所が指導力を発揮する必要なぞないのです(これについては後述します)
役所がすべき事は民間に尽くす事なのです。
彼等の給料から私たちの給料が出てくる事はなく、その逆だけが真実なのですから。
日経に、北ヤード2期、同友会「緑地に」との小さい記事が載りました。
僕は今回の件で、日本は、この様にして間違いを犯して行くんだな、と言う事を目の当たりにしている思いです。

北ヤードとは誰の土地ですか?
国鉄清算事業団の土地ではありませんか?

国鉄の分割・民営化においては、大企業の清算によく見られる「債権の(一部)放棄」や「利払いの停止」が行なわれず、その一方で「事業の継続による収入」がないばかりか、清算事業に関わる人件費の拠出や資産売却の不調も相まって、ほとんどの売却可能資産を処分し、またJR各社(特に本州3社)に追加の債務負担をさせたにも拘らず、約30兆円もの長期債務が返済できないまま(むしろ利払いなどにより増加してしまった)、1998年10月22日に日本国有鉄道清算事業団法の廃止と共に解散した。
解散後、固定資産やJR株式などの処分資産は鉄道公団が継承した。その一方、債務については「日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律」によって国の一般会計に組み入れられ、国自体の借金となった(「税金」の形で国民が負うことになる)。
以上、ウキペディアから。

平成2年以降、貴方達はマスコミを筆頭にして国民の血税云々とやったでは有りませんか?
国鉄の件は血税ではないのですか?今は違うのですか?
第二期は、諸外国全てに門戸を開放して競争入札を成し、最高値で落札した政府系ファンドなり世界的な大企業に売却し、血税の負担を1円でも減らす。
そのために役所は容積率の緩和等を速やかに成して土地の価値を上げ、出来るだけ天文学的な価格で売却できる様に貢献する、と言う役所として事務的に出来る事をやる。
考えるべき事は、それだけで良いのです。加えれば連合は2社ぐらいまでしか認めない。
基本的には一社に依る落札、を条件として付ける。(その理由は後述します)

数千億円のお金を一社で動かしたならば、一刻も早く事業開始する事は有っても、1年半も着工を延期する事は有り得ない…巨額の金利に追いかけられるからです。

第一期の延期は、12社連合とは大儲けしている大企業群で、一社当たりの負担が少なく、1年半の延期に依る金利負担が屁でもないから、ぬけぬけとこの様な破廉恥行為を成しているだけなのです。

さて、第二期の本題ですが、この場所で最良の知恵と結果を出せるのは、数千億円の巨額で落札した企業だけなのです。
巨額の投資を回収する為には、最大限の魅力、最大限の集客を図らねば成らぬからです。
落札者は、それこそ、ありとあらゆる知恵を振り絞って、最良の答えを出すのです。
数千億円を投下してパチンコ屋や飲み屋にする馬鹿は居ません。

自分たちの血税で有る事の認識を何故か今回は失念しているマスコミを筆頭にした人たちや、
20年以上に渡って見る影も無くなった大阪経済の大凋落にも関わらず、
生活の安定が一度も損なわれた事の無かった財界人の方達から、
第二期について最良の答えが出る訳が無い事に、どうして気が付かないのですか。

貴方達も言い続けてきた規制緩和
その実行は、諸外国に門戸を開放した第二期の最高価格競争入札で見事に成されます。

緑の森に…これほどの、おためごかしはないと言う事に、まだ、気づきませんか?
マスコミに一番大きな罪が有る「日本の失われた20年」
大阪市役所、裁判所の目の前には中之島公園と言う日本中どこに出しても恥ずかしくない立派な公園が有ります。

此処に下流以下への転落を余儀なくされた人達が多数住みついた10数年、
何らの対策も市役所が成す事はなく、
YMCA等のボランティアが寒空の下に行っていたお粥等の炊き出しに、
列を作っていた人たちを小生は幾度となく目にしました。

第二期を公園にして、どうするというのですか?
貴方がたに此処に住みつくしかない人たちを排除できる自信がお有りなのですか?
或いは中之島公園の様に夜とも成ればアベックが隠微に己の快楽を貪る、この様な事を防ぐ手立てが有って仰っておられるのですか?
あの場所は中之島公園以上に大変な場所に成りますよ。
夜5時で鍵をかけますか?
誰もよじ登れない様な高い塀で覆いますか?

大阪市民(あなた達、約束された生活の中に安住している人達を除いては)は、誰ひとり、緑云々なぞとは考えていません。
市内の公園は大阪城公園中之島公園、靭公園で十分です。
ただ、ただ、活気を取り戻してくれ、大阪経済を復興させてくれ、と願い、職場が1社でも増え、給料が1円でも上がる事を、ひたすら望んでいるのだと言う事が分かりませんか?

僕の同級生に等しい関西財界の方たちの、
己は温々した場所からの、これぞ、机上の空論、否、高みの見物的な御意見に、
小生は深甚なる絶望を与えられましたが、
これ以上黙っている訳には行きませんので、
今回は一歩も引かず闘う覚悟です。

物心ついてから、ずっと朝日を愛読して来ましたが「朝日新聞って、こんな新聞なんだ」と思いました。
駅前に公園を作っただけで世界に何事か発信出来ると本気でお考えでいらっしゃる朝日と貴殿の幼稚さには呆れて声も出ません。
気を取り直して指摘すれば、それなら、遥かに広く、多数の野鳥や生物の存在が確認されたばかりの大阪城公園を世界に発信する方が、まだしもです。見事な大阪城が有るのですから。

第二期分を緑の森にして最大の利益を得るのは、
今回の第1期分の事業者で有る事は言うまでも無い事。

品川の跡地を再開発する時に東京は皆様方の様に大騒ぎしたでしょうか?
単純に容積率の緩和等を成し土地の価値を高め、
諸外国にもオープンに入札を成し最高価格で落札者を決定し、落札者は多額の投下資本に見合うビルを建築した。
その結果、世界有数のビジネス都市である東京のキャパシティは更に増えただけではなしに、世界的な大都会であるかどうかの重要な物差しである世界的な高級ホテルの数も更に増えたのです。
諸外国からの投資先としてのパイが更に大きく増えた訳です。

20年以上に渡って大凋落した大阪経済=関西経済の復興は、大阪発の世界的大企業の本社機能を、もう一度、大阪に呼び戻す。
インターネットの時代に東京に居なければ成らない理由はないはずです。
米国は世界的な大企業の本社が各地に点在しているでは有りませんか。
世界的な各分野の一流企業を大阪に誘致する。
北ヤードのオフィスビルこそ打ってつけなのです。

産業構造の変化等で経済停滞に陥った都市や、活性化を図らなければ存続不可能な州や地方都市が打つべき手は、たった一つです。
税制の優遇措置を講じて企業の進出を促す。
ただ、それだけが、最も有効な手段である事は、世界中の都市・地方が実証しているでは有りませんか?

大阪市役所担当者は「講じています」と返答して来ましたが、僕は、その内容は知っていましたので遮って言ったのです。
「開発事業者に対する優遇ではないのだ。彼等は極言すれば只同然、丸儲けの価格で取得出来たのだから、これ以上、何の優遇措置を与える必要がある?それに北ヤードを取得できる者は優遇措置など無くても取得する。優遇措置の与え方、出し方が間違っているのです。テナントとして進出してくる企業に与える、その観点が抜けていたから今回の様なお粗末な事が起きたのです」

大阪市役所が、これから成すべき残された唯一の施策とは進出企業に対する税金の優遇措置を取り、大阪発・世界的な大企業の本社機能を大阪に呼び戻す事、世界中の各界の一流企業の北ヤードへの進出を促す事の2点に尽きているのです。

その他の事は凋落し二流都市と成った地域・都市特有の、おためごかしの理屈付けであって、それは致命傷に成るのだと言う事を肝に銘じて下さい。

そもそも20年以上の時間をかけて決定し事業窓口者であるUR都市整備機構から、1,2期共に、立派な事業パンフレットも配布されているのに、
今年1月の朝日一面に依る下妻氏の発言を皮きりに、
突如として第二期を緑の森に等と言い出したのは、
一体何故なのでしょうか?

貴方がたの様な、庭付きの結構な一戸建てに住み、特権的な福祉施設にも恵まれている方がたが、緑、緑と仰る事が私たちには奇異で仕方が無いのです。
私たちは活気に溢れた経済、その事によって全ての者に働き口が見つかり1円でも給料が上がる事だけを願っているのだと言う事が、
何度、言っても分からないほど、満ち足りた傲慢さの中に有るのであれば、
これほどの度し難さは無いと断じるしか有りません。

最後に、
上海市長は上海を世界の一大金融センターにするとの強い意志の元に、
世界的な金融機関を誘致するために、幹部社員の所得税を20%超軽減するだけではなしに、高級住宅を格安の賃料で提供もしたのです。
そうした施策の結果、世界中から金融機関が進出し、たしか、HSBCは5,000人と言う、本国以外では、最大の人員規模で進出したはずです。