今の中国には廻らない…中国が共産主義の独裁国家である間は文明のターンテーブルは廻らない。

2022年02月22日

2010/7/17に発表した「文明のターンテーブル」を、本日再編し、新たに発信する。

始めに。
本論文での数値は2010年7月時点のものであるが、GDPの数値等、現在と殆ど変わらないのが実態だから、そのまま記載する。
但し、振り返る時制は現在時間からとしている。

覇権安定論(Hegemonic stability theory)とは、ウィキペディアによれば、経済学者のチャールズ・キンドルバーガーによって発表され、ロバート・ギルピンによって確立された理論であり、一国の覇権で世界が安定し、かつ経済的に発展するには、

1.一国が圧倒的な政治力及び経済力、すなわち覇権(Hegemony)を有していること、

2.覇権国が自由市場を理解し、それを実現するために国際体制を構築しようとすること、

3.覇権国によって国際体制の中で利益を享受すること、とある。

今の米国が真正な覇権国家であることは、その条件に照らせば、まさにその通りでしょう。
37年前、僕は、世界には、何故、覇権(ヘゲモニー)国家が存在するのだろうかと考え続けていたのでした。
所用で滞在していた8日間、ローマから世界を見ていた時に気付いたことは「世界の半分は、今も貧しい。飯すら食えない。だから猛烈に栄える一国が必要なのだな」と。
そうして例えばアフリカに、何とか、お金が流れて行く……。
紀元から見れば、イタリア~ポルトガル・スペイン~フランス~イギリス~米国~米国・日本と言うことだったのだなと気付いたのです。
それが文明のターンテーブルなのだと。
37年前、米国は覇権国家になって、たった50年でくしゃみをした。
覇権国家として貧しい国を大きくして行くという役割からの必然とも言える多消費型の経済が過ぎて財政赤字が拡大し、このままでは世界も危ない、米国と屹立し繁栄する自由な国が必要。
日本しかない。
何故なら、日本は、無階級、無思想、無宗教と言う人類史上初めての文明を、米国がキリスト教国家であると仮定すれば、作り上げていたからです。
英国から米国に覇権が移って50年、世界の人口は倍に増え65億人となっていた。
米国一国では世界は救えない。
今だって米国は悲鳴を上げている訳です。
欧州よ、日本よ、中国よ、内需拡大してくれ、と。
なのに、2009年、日本の株式市場関係者がコメントしていたことは、これからは「米国離れの中国頼みだ」と。
37年前、文明のターンテーブルが日本に廻ったことに気付かずに来たための悲劇ですし、真実に気付きもせず愚かな正義感を振りまわし、日本の失われた20年を作ったマスコミの責任は実に重い。
覇権国家は200年続くのが習わし。
日本の時代が終わったなんて、とんでもない。
日本は米国と屹立する、あるいは米国を補完する超経済大国として、あと170年、栄え続けなければならないのです。
憲法自衛権以外の武力は放棄している日本は、武力は米国に任せ経済において繁栄し続ければ良いのです。

*この個所は、敢えて皮肉を込めて書いたものです。武力を米国に任せて等という能天気な事の正反対を私が言い続けている事は読者は御存知の通り*

日本は何故この20年、大停滞したのでしょうか?
厳しく言えば精神年齢12歳のマスコミと政治が駄目だった。
日々、革新と競争に曝され、各分野で世界トップクラスの技術を磨き、大きなシェアを占めてもいる日本の企業は世界的にも優秀、勤勉で細部を疎かにしない特質と高い教育レベルが相まって、日本は産業立国で1500兆円という世界一の個人資産を持っているのです。

日本の携帯は本当に見事な物だが凄過ぎて技術のガラパゴスだと自虐する日本。
中国は国として世界のガラパゴスなのですが、人口13億人の大国であることを活かして、国家として元安政策を取り続けた。
日本のなすべきことは、今だって世界一の個人資産1500兆円のお金を活かす、社会から生まれたお金(産業立国である日本を支えた勤勉で優秀な労働者の賜物)を社会に還元すること……。
資本主義である国が資本主義の根幹である株式市場を蔑視し続けて来たこと(だからカモられたのです)が、この20年の日本の大停滞の本当の真相なのです。
僕の同級生に証券会社に行っている者は、ただの1人もいません。
株屋と蔑称し、株なんて、株なんか……米国、ハーバードの最優秀選手は、GS証券に行き、歴代の財務長官となる……。
円がリスク回避先になり、事あるごとに円高になるのは、日本の国債の95%以上が、この個人資産で賄われている、世界で稀有な国だからです。
個人資産の1%=10兆円を株式市場に誘導すると、たちまち日本は米国に屹立する巨大市場になる=世界の金融大国になるのです。
株取引による利益については、税率をゼロにする(但し、消費に向かったことを証明する領収書付きで)。
東証は、一日に一銘柄に対して1000億円超のお金が動くこともしばしば。
米国の資産家は資産の3分の2を株で運用=お金が社会に還元されて経済がさらに大きな物になる=しているのに、日本の個人資産家の大半は、そうではないのです。
資本主義国の根幹である株式市場の70%が外資というのは、国が乗っ取られているのに等しいのです。
個人資産1500兆円の、たった1%である10兆円が動いたら、外資のシェアはたちまち10%台です。
経済の安定、安全を図り、グローバルですよ、と言うのには、これくらいでちょうど良い。
僕はグローバルという言葉の裏側には、強欲が潜んでいると感じている者です。
今、外資保有している日本株は88兆円ほど(全体の約45%)ですが、個人資産の10%、100兆円を日本の優秀な大企業や、様々な分野で世界のシェアを占めている企業の株取得に誘導(国内資本が保有する株は296兆円となる)し、配当は無税(シンガポールではとうに行っていることです)にしたら、デフレなんぞは一瞬で終焉するでしょう。
消費されたことを証明する領収書付きに限るとして、上場企業の平均配当は年2%前後のはずですから、5兆9200億円という巨額の金が消費(内需拡大、GDP拡大)に向かうのです。
*平均配当は、今は約3%でしょうか*
配当だけではなく株取引に対する税金も限りなくゼロにすれば(同様に領収書付きに限るとして)、消費に向かうお金はさらに莫大な額になるでしょう。
個人資産の1%が、毎日、市場の売買に動き、10%が産業立国である日本の優秀な企業の株取得に向かったら、世界が東証大証とNYSE、ナスダックを見て動くようになるのは無論ですし、莫大なお金が消費に向かえば莫大な内需拡大となり、日本人の美的感覚を魅了する世界の優秀な産物や高級品もケタ違いに消費されるのですから。
日本は自分の道は自分で決めればよいのです。
私たちは、米国と屹立する世界最大の金融市場を持ち、各分野で世界最先端の技術を持つ国として、真の意味で、島国日本として、世界のガラパゴスであればよいのです。
あと170年間、米国に並ぶ世界のチャンピオンを謳歌すればよいのです。
それが文明のターンテーブルが廻った国の役割であり、必然的に世界の救世主にもなるのです。
小野善康が言っているような消費税増税では、残念ながら日本は元に戻れません。
惨めで愚かな体たらくのまま没落を迎えるよりは、栄耀栄華の順番としての時間(200年が歴史の習い)を全うしてから、サンタナの「哀愁のヨーロッパ」ならぬ「哀愁のジャパン」を奏でるほうがずっと良いのは無論。
諦め、嘆くのは170年早いのです。
諸外国のことなんぞは気にしなくて良いのです。
資本主義が100%正しいなんてことはあり得ないことも先般の金融大乱は証明した訳です。
私たちの人生や大企業の価値が日々に変わるなぞと言うことがないのも無論。
資本主義の対極に民主主義があるのも無論。
米国とは違う、もう一つの世界一の国として、優秀な企業の株は下がらないどころか、上がりっぱなしだ。
下がるのは業績を悪化させ無配当に転落したような時だけだ(同時に経営者は即刻クビ)。
そのような場合でも、それが、今回のような欧米発の金融大乱ゆえの不可抗力なものだとしたら、我ら日本人の特質の一つを遺憾なく発揮して、株を売り込んだりすることなく、共に耐える。
そのような資本主義を世界に生みだしても誰も文句は言いますまい。
チャンピオンとしての豊かさの中で、子供もじゃんじゃん作られるでしょう。
だから200年続くのです。
アメリカを尊敬はするけれども、顔色をうかがう必要なぞは全く無用になるまで、アメリカと同程度の人口(今の2倍です)になるまで。少なくとも米国と同程度の消費大国になるまで……。
言うまでもなく住む場所は日本各地に、たんとあります。
過疎化や地方の疲弊等と言う言葉にもサヨナラが出来るでしょう。
産みなさい、育てなさい。
この国は美しい海と緑の森と山なみに溢れた国。
モンスーン気候のお陰で、私たちの国は、世界指折りの、四季の変化に富んだ美しい国なのです。東京や大阪のような街にのみ集中する必要は全くないのです。
美味しくて安全な農作物と、とれたての魚介類を食べて、海で泳ぎ、野原を走り回り、山の頂を仰ぎ見、原始時代からの恋人を追いかけて、恋を語る国が出現するでしょう。
そう、古代の中国人が夢見た桃源郷を、この島国であと170年。
それが私たちの真の役割です。
世界の羨望が集まる様が、僕には手に取るように見えます。
それが日本の、これからの170年です。
そのために焼夷弾が、ヒロシマナガサキがあったのですから。
400万人(貴女と同じく若くて美しい人が過半)は犬死にしたのではないのです。
私たちのために、私たちの今のために、この国を世界一、豊かで美しく、最高の自由と知性を謳歌する国にするために死んでくれたのです。
この美しい国を、自由と知性のチャンピオンの国にするために死んでくれたのです。
私たちは、世界一の栄耀栄華を極め、世界に、何故日本が繁栄しているのかを、知らしめることによってしか、彼らに報いることは出来ないのですから。
最後に。
日本は、米国に屹立する世界の大金融大国、株式時価総額大国、世界トップレベルの技術大国となって、日本から次の順番のどこかの国に文明のターンテーブルが廻るまで繁栄し続けるでしょう。
今の中国には廻らない。
経済だけでは文明のターンテーブルは廻らない。
経済の繁栄だけではなしに、真の自由と最高の知性を作り上げた国にしか文明のターンテーブルは廻らない。
中国が共産主義独裁国家である間は文明のターンテーブルは廻らない。
インドがカースト制度を克服出来ない間は廻らない。
僕は、貧富の差、貧困だけが問題であるブラジルに廻るのではないかと予想するのですが。