副大統領のニクソンが飛んできてまずヘンな憲法を押し付けたことを深く詫びて「強い日本軍を再建してほしい」と懇願した。

2023年06月22日

以下は、本日発売された週刊新潮の掉尾を飾る高山正之の連載コラムからである。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。
随分前に、世界中のプリマから大変な尊敬を受けているモナコ王立バレエ学校の老女性教授が来日した。
その時に彼女が芸術家の存在意義について語った言葉である。
『芸術家が大事な存在なのは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する事が出来る唯一の存在だからです。』
彼女の言葉に異議を唱えるものはいないだろう。
高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであるだけではなく、戦後の世界で唯一無二の芸術家と言っても全く過言ではない。
一方、大江…彼については、故人を悪くは言いたくないが(下記の高山正之に倣って言えば)村上等、作家と称する人間達、自分達を芸術家だと思いこんでいる人間達の多くは、芸術家の名にも値しない存在なのである。
何故なら、彼らは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する、どころか、朝日新聞等が作り出した嘘を表現して来ただけの人間達だからである。
彼らの様な存在は、日本に限らず、世界中の国においても同様なはずである。
つまり、真の芸術家とは、極少数しか存在していないのである。
私が、今の世界で、最もノーベル文学賞に相応しいのは、高山正之を措いて他にはいない、と言及している事の正しさを、本論文も見事に証明している。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。

日本軍の使い方
昭和25年、北朝鮮軍が韓国に侵攻し、朝鮮人同士の内戦が始まった。 
韓国の李承晩はすぐ釜山に逃げ、さらに山口県亡命政権を置きたいと日本に伝えてきた。 
上がそんなだから下も逃げ腰だ。
しょうがない、米軍が独りで北の侵攻を食い止めにかかった。 
白人は本来、黒や黄色とは直に戦わない。 
英国はそのためにインド兵を前面に出し、米軍はフィリピン兵を養成した。 
だから日本軍がシンガポール攻略戦で早々にインド兵をやっつけると、パーシバルはあっさり降伏した。 
有色人種と戦って勝ったところで名誉にもならないという考え方だ。 
しかし朝鮮動乱が起きたとき、米軍にはその備えはなかった。
フィリピンはもう独立していたからだ。 
米軍は自ら攻撃の矢面に立ち、多くが死んだ。 
何で黄色い朝鮮人同士の戦いに米兵が血を流すのかと米世論は騒ぎ立てた。 
こんなとき昔は頼りになる強い軍隊がいた。
日本軍だ。
第一次大戦では青島の独軍を制した。
シベリア出兵も頼めた。 
しかし米国はその日本軍を消滅させる憲法を押し付けたばかりだった。 
なぜなら日本さえ倒せば第三世界で白人国家に楯突く国などないと浅はかにも思い込んでいたからだ。 
米政府はそこを何とかしろとマッカーサーに命じた。
日本を再軍備させ、米軍に代わって朝鮮に送り込んで平定させろと。 
で、マッカーサーは昭和26年の年頭の辞で「邪悪な勢力が世界を侵している。日本も我々と共に戦おう」と訴えた。 
吉田茂は笑ってアンタが押し付けた憲法があるから戦えないと答えた。 
米軍の戦死者は増え続ける。
今度はダレスが交渉に来たが、答えは同じ。 
そのうちベトナムもキナ臭くなってきた。 
副大統領のニクソンが飛んできてまずヘンな憲法を押し付けたことを深く詫びて「強い日本軍を再建してほしい」と懇願した。 
吉田は彼の意図を知っていたから断った。 
案の定、ディエンビエンフーベトナム戦争が始まり、その戦争は20年間続いて米兵5万8千人が死んだ。
ジョージ・ケナンは「米国は日本を誤解し、それを潰すという間違いを犯した。その報いで多くの米兵を死なせた」と反省した。 
そして今。
米国が日本を潰してまでアジアのパートナーに選んだ支那が実はとんだ食わせ者だったことが分かってきた。 
この国は阿Qに鉄砲を持たせたような国だった。
ベトナムを懲罰するとか偉そうに言って逆にコテンパンにやられた。 
それに懲りてウイグルチベットなど弱い国を痛めつけて強国気分に浸る。 
スリランカソロモン諸島には親切ごかしに金を貸し付け、焦げ付くと居直って領土を奪い取る。
黄色いシャイロックだった。 
そんな支那習近平の下、盗み集めた先端技術で宇宙兵器まで創り出し、プーチンと同じに侵略ごっこを始める気でいる。 
兇弾に斃れる前、安倍元首相はそれを予測し「日本も核シェアリングを考えるときだ」と言った。 
驚いたことにずっと反日ワシントン・ポスト紙が「元首相は支那覇権主義に早くから警鐘を鳴らした」先見性を高く評価し、「日本が(元首相の遺志に沿って軍事力を持った)普通の国になる」ことへの期待を表明した。 
これまでは普通の国になろうとするだけで「軍国主義の復活」と牽制してきた新聞だ。
えらい変化だ。 
そしたらトランプの元国防長官マーク・エスパーも台湾有事を念頭に「反撃能力を持った普通の国・日本」への期待を語る。 
ケント・ギルバートと同じ主張だが、日本の核保有に話が進むとケントは即座に「ノー」と言い放つ。 
エスパーも同じ。
元首相の言う「日米の核共有」は言下に「不必要だ」と。 
何だ。
俄かな「強い日本軍」復活話は朝鮮動乱時と同じ。
黄色い支那と戦うときのフィリピン兵が欲しかっただけなんだ。