全米の都市部でスーパーや
アップルストアといった小売り大手のチェーン店が集団略奪に見舞われている。凶悪化した窃盗犯に「顧客と従業員の安全が脅かされ、営業を続けられない」と閉店も相次ぐ。現場では「押し寄せる万引の波」(米メディア)に打つ手なく、無力感も漂っていた。
カリフォルニア州サンフランシスコ中心部にある総合スーパー「ターゲット」。止まらない盗難を主な理由に、運営会社が10月21日の閉店を決めた9店舗の一つだ。
10月上旬、記者が訪れると、奥にはガラスケースだけとなった空の商品棚が並んでいた。残されていたのは、スマートフォンやオーディオ機器が置かれていたことを示す紙だけ。傷が所々にある棚もそのままだった。
若者の集団がガラスケースを破壊して奪ってから商品を置くのをやめた。万引が発覚した犯人が銃を撃つ事件も各地で起き、死者も出ている。ターゲットの警備員は諦めたように語った。「いつ危険な目に遭ってもおかしくない」(共同)