フランシス・フクヤマは白人の血が一滴も入っていないのにその著『歴史の終わり』で白人キリスト教文化をやたら褒(ほ)めそやす。

以下は、高山正之が、月刊誌正論の冒頭を飾る「折節の記」を編集長のリクエストで匿名で書いていた時の論説をメインに集めて2015/2/28に出版した下記の本からである。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。
真実を明らかにして私たちに伝えている彼の舌鋒の鋭さには誰もが感嘆するはずである。
論旨の鋭さにおいて彼の最高峰であるといっても過言ではない。

随分前に、世界中のプリマから大変な尊敬を受けているモナコ王立バレエ学校の老女性教授が来日した。
その時に彼女が芸術家の存在意義について語った言葉である。
『芸術家が大事な存在なのは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する事が出来る唯一の存在だからです。』
彼女の言葉に異議を唱えるものはいないだろう。
高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであるだけではなく、戦後の世界で唯一無二の芸術家と言っても全く過言ではない。
一方、大江、村上、平野等、作家と称する人間達、自分達を芸術家だと思いこんでいる人間達の多くは、芸術家の名にも値しない存在なのである。
何故なら、彼らは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する、どころか、朝日新聞等が作り出した嘘を表現して来ただけの人間達だからである。
彼らの様な存在は、日本に限らず、世界中の国においても同様なはずである。
つまり、真の芸術家とは、極少数しか存在していないのである。
私が、今の世界で、最もノーベル文学賞に相応しいのは、高山正之を措いて他にはいない、と言及している事の正しさを、本著も、痛切に証明している。


日本が戦後復興できたのは朝鮮にカネをあげる必要がなくなったから
フランシス・フクヤマは白人の血が一滴も入っていないのにその著『歴史の終わり』で白人キリスト教文化をやたら褒(ほ)めそやす。
白人社会で生きていくにはそれくらいのおべんちゃらが必要なのだろうが、それが過ぎて自分の祖国日本まで蔑(さげす)んで見せる。 
例えば米国と比べて「日本は不寛容でよそ者を受け入れない」。
徹底した不寛容でインディアンを皆殺しにし、牛馬の代わりに黒人奴隷を使って反省もないのはどの国なのか。 
そして2言目には「先進の英米」と「遅れた日本」と対比させるが、むしろ日本と米国は同し19世紀後半、かたや南北戦争、かたや明治維新の形で産業革命に入っている。
白人視点の歴史だけが歴史ではない。 
その本の中で、彼はいち早く産業革命を成し遂げた英国の豊かさを強調し「18世紀半ばで今の第3世界の所得水準を超えていた」と書いている。
これもやや贔屓が過ぎる。 
そのころの英国は塩、砂糖、紅茶から窓や石鹸にも課税されていた。
中でも窓税は年間200万ポンドも稼ぎ、一時期は支那からの阿片収益に並んでいた。
この窓税のために人は窓を潰した。
とくに監獄では看守に支払い義務があったので大方の窓はふさがれ、牢獄は真っ暗だった。
石鹸も高いから風呂にも滅多に入らない。
あのころは暗くて不潔だったとライザ・ピカードの『18世紀ロンドンの私生活』にある。 
しかし19世紀になると事情が変わった。
黒人奴隷を使ったジャマイカのコーヒー、砂糖プランテーションが収益を上げ、インドは従順に塩税を払い、支那の阿片収入は500万ポンドを超えた。
おまけにビルマ領アッサムで自生茶が見つかり、英国はここを奪って植民地にしてアッサム茶の輸出まで始めた。 
かくて英本国では塩税も石鹸税も窓税もなくなった。
「当時のロンドンの家庭はみな住み込みのメイドがいた」と少し前のニューヨーク・タイムズにデータが載せられていた。 
植民地税はガンジーを怒らせた塩税のほか人頭税、酒税が3本柱だが、仏領インドシナではそれに加え「結婚、出産、葬式から隣村に出かけるのも課税対象だった」
(A・ビオリス『インドシナSOS』)。 
フランスはもともと英国の阿片貿易が羨(うらや)ましくて仏印を取ったから、植民地化するとすぐすべての街に阿片専売所を創って阿片を売り付けた。
カネになるなら国が売人にもなった。 
それで仏本国は潤い、英国と同じに窓税や塩税など大方は消えてなくなった。 
戦後「栄光あるフランスの再建」にドゴールは仏印の継続領有を恥ずかしげもなくルーズベルトに訴え、認められた。
これが植民地経営の姿だが、例外もあった。
日本だ。
日本は日清戦争を前に酒や菓子、醤油にまで課税して戦費を出した。
日露戦争では砂糖、石油にも課税した。
日本は欧米の植民地の民並みに課税され続けた。 
第一次大戦にも勝ち、結果、朝鮮、台湾、南洋諸島を得たが、なぜか膨れ上がった税はそのまま残った。
理由はその植民地だった。 
欧米は植民地からカネを絞ってその分、内国税を軽減したが、日本は逆に朝鮮、台湾にカネを出した。
とくに未開の朝鮮にはまず学校を建て、電気を引き、鉄道を走らせるところから始めた。
そのために日本は国家予算の2割も費やした。 
そして先の戦争があった。
日本は焼け跡だけが残ったが、それでもあっさり世界第2位の大国に返り咲けたのは陸海軍の負担がなくなったこともあるが、何より朝鮮がなくなった、植民地にカネを出さずにすむようになったことが大きかった。 
いま、国家再建も終わった。
軍隊はGDP1%に抑え、カネを食う植民地もない。
いつまでも植民地並み課税する理由はなくなったはずだが、なぜか酒税も石油税も残り、それどころか逆にガソリン暫定税率とか介護なんたらとかむしろ税は増えている。 
なぜかは皆知っている。
官僚たちの特殊法人と増えすぎた議員がいまや陸軍55個師団に勝る金食い虫になっている。
そしてなぜか朝鮮だ。
60万在日がパチンコ屋をやるか生活保護で暮らすか。
それで日本人のカネが年間20数兆円も消え、加えて経済破綻中の韓国が通貨融通枠の名で5.4兆円もたかってきた。 
それを埋めるために野田桂彦首相は日本人を植民地税制下においたまま増税するという。
馬鹿を言う前にまず戦前のたかり気分が拔けない元植民地と絶縁するがいい。