さっき朝の人気番組に出演している福島県出身のアナウンサーが国を批判するような事を

さっき朝の人気番組に出演している福島県出身のアナウンサーが国を批判するような事を
2016年03月12日
NHKの映像美の礎を作ったのは、私の母校である仙台二高の先輩だと何度か言及して来た。3.11を迎えるにあたって、NHKは良い仕事をしている。おまけに昨日から続いている、今回の、とても良い特集の中継基地が閖上だったから、余計に私は見ていた。今日の分もすべて録画していた。

今は、ライブで観ていた。さっき朝の人気番組に出演している福島県出身のアナウンサーが、国を批判するような事を言ったのだが、彼は、当時の内閣がどんな内閣で、どんな人間が総理大臣だったのか、或は、朝日新聞が、この政党に政権を取らせ、その人間を総理大臣にしたという、わずか5年前の事実さえ忘れているらしい。

今日、京都御所に向かう車中で、友人が、産経新聞産経抄を差し示した。

読者は、私の論説の正しさを、ここでも思うだろう。

ここ数日、私の脳裏に去来していたことも。この論説は完璧に書いている。

「あんな人(菅直人氏)を総理にしたから天罰が当たったのではないか」。

東日本大震災発生当時、原子力安全委員長だった班目春樹氏が8日のフジテレビ番組でこう語ったことが、巷で話題を呼んでいる。

未曽有の大災害と原発事故に対し、不謹慎で人ごとのようだとの批判もある 

ただ、当の菅氏には怒る資格はない。

菅氏は平成16年10月に愛媛、高知両県などで台風が甚大な被害をもたらし、直後に新潟県中越地震が発生して10万人以上の避難者が出たとき、ホームページに記していた。

「あい続く天災をストップさせるには、昔なら元号でも変えるところだが、今必要なのは政権交代ではないか」 

自然災害や被災者の受難ですら、躊躇なく党利党略に結びつけている。

小欄が23年4月、全村避難を強いられた福島県飯舘村を訪ねた際、村役場の菅野典雄村長室に毎日新聞のコラムのコピーが大量に積まれていたのを思い出す。

菅氏が国会で「あなたには心がない」と指摘された件に関する記事だった。 

この年12月、再び話を聞いた菅野村長は、菅氏の四国霊場八十八ヵ所巡り再開に憤っていた。

「菅さんよ、首相を終えたならお遍路じゃなく、被災地の仮設住宅を歩くのが普通じゃないか」。

にもかかわらず、菅氏は昨年10月には、自身の10年間のお遍路の記録をまとめた著書をのんきに出版した 

俳人長谷川櫂さんの『震災歌集』に収められた一首の短歌が頭にこびりついて離れない。

「かかるときかかる首相をいただきてかかる目に遭ふ日本の不幸」 

事故対応をめぐっては政府、国会、民間、東電の各事故調査委員会がそれぞれ検証し、報告書をまとめている。

どれも労作だが、政治家の言動と責任への追及が共通して甘かった。