なんとも理不尽な話だがもっとふざけた話が沖縄で進行している。

以下は本日発売された週刊新潮の掉尾を飾る高山正之の連載コラムからである。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである事を証明している。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。

習近平の混血児

ポルトガル東ティモールを取って香料貿易の拠点とした。
白檀やナツメグは金より高値がついた。 
その分、敵は多かった。競争相手の英、蘭が襲ってくるし、原住民も危険だったが、人口小国の本国に増派する軍隊などなかった。
ただ多くの植民地を手掛けてきたポルトガル人には手だてはあった。 
以下は英旅行作家ノーマン・ルイスの東ティモール見聞記の一節だ。 
「兵士どもは真っ黒だが目鼻立ちが白人のそれを思わせるのはポルトガル兵士がここに子孫を残したことを示す。
新たな植民地を防衛するのに必要な兵力を自分たちの息子で賄うべく現地の女を抱けという命令に諾々と従った結果なのだ」 
女はメラネシア系で黒く体臭もきつい。
諾々とは楽しんで犯したわけじゃないほどの意味だ。
生まれた子はハーフカスと呼ばれた。原義は英印の混血児の意だが、今では白人がアジア女に産ませた混血児の総称に使われる。 
東ティモールのハーフカスは長じて兵士になり、父から銃と白人の面影とポルトガル風の名を貰う。シャナナ・グスマンとかラモス・ホルタとか。 
それで外敵が来れば戦い、原住民が騒げば、それがたとえ母の身内だろうと容赦なく撃ち殺した。 
ハーフカスには準支配者の地位が与えられた。 
しかし今さら香料でもなくなった1970年代。
ポルトガルは予算不足のためこの島を70万島民ごと捨てて立ち去った。
道路も学校も統一言語もない。そんなところをそれでも面倒見ようという奇特な人がいた。
隣の西ティモールまで治めていたインドネシアスハルトだ。
かつて日本が3年間、面倒見た時のようにこの国は島民にインドネシア語を与え、学校を作り、道路も電気も通した。 島民は喜んだがハーフカスは違った。 
「俺たちは白人混血児だ」と言ってもスハルトはそれがどうしたと相手にもしないで、そこらの原住民と同じに扱った。 
そんな折に沖合に海底油田が見つかった。 
ハーフカスは白人の血の誼で豪州に東ティモール独立の支援を頼んだ。お礼は海底油田の利権の一割でどうだろうか。 
かくて「インドネシアが島民を虐待する」とか偽りを並べた独立運動が起き、それは成功した。
大統領シャナナ・グスマン以下はみながハーフカスだった。
なんとも理不尽な話だがもっとふざけた話が沖縄で進行している。 
こちらの発端は香料ではなくて硫黄だった。時代は明の朱元璋まで遡る。 
彼は国防に青銅製の銃砲を多数調えたが、肝心の火薬に事欠いた。
木炭硝石はあっても支那には火山がない。つまり硫黄がない。
日本に頼めばいいけれど日本は最大の仮想敵。
国防の要を依存するのは具合が悪かった。 
朱元璋は日本の番外柚琉球に目を付けた。
ここにはふんだんに硫黄を噴き出す硫黄鳥島がある。 
彼は36人の支那人琉球に送り込み、硫黄を含む朝貢品を誂えさせた。
朱元璋は喜び、琉球王に豪華な返礼品を与えた。琉球王は大金持ちになった。
仲介の36人衆は貴族以上に列せられ、彼らは準支配者の座を獲得した。 
彼らは那覇に近い久米地区に住んだから久米の人クニンダーと呼ばれ、特権階級の代名詞にもなった。 
明か清に代わっても硫黄は大事で、36人衆は東南アジアの華僑並みに権勢を誇ったが、日本は明治になって琉球無番地をやめて政府直轄の沖縄県とした。 
東ティモールで言えばインドネシア併合みたいなもので、支那人ハーフカスはその地位を失った。 
彼らは清に琉球を奪取するよう願い出たが、清はまともだから動かなかった。 
しかし今の習近平は違う。
仲井眞だとかの支那人ハーフカスを支援して沖縄の独立を促し、併呑まで考えている。 
知事のデニー習近平に媚びるが、お前はアメリカのハーフカスだろが。