D.ケイを利用して米国学界内の政治的エージェントが…日本叩きの報告書を国連という隠れ蓑の下で作成する工作

ミンディ・カトラー…ダデン氏の協力者で、米国の反日活動家の一人である
2020年10月29日
2019-08-02に発信した章である。
以下は、「米左翼学者が支える特別報告者ケイ氏」と題して、昨日発売された月刊誌正論に掲載された、ジェイソン・モーガンとマイケル・ヨン氏による労作からである。
朝日新聞等を購読しNHKを視聴していたのでは真相は何も分からない事を、今月号の月刊誌正論は実証しているのである。
日本国民全員は今すぐに最寄りの書店に900円を持って購読に向かわなければならない。
久しぶりにこの名前を目にした。
言論と表現の目由に関する国連特別報告者、デービッド・ケイ氏のことだ。 
ケイ氏は、国連人権理事会が開幕した6月24日に日本に関する報告書を提出した。
2017年5月に公表された対日調査報告書で、日本の言論と表現の自由が政府の圧力によって萎縮していると記したケイ氏は、今年の報告書でもメディアの独立性に懸念が残ると指摘した。 
また、特定秘密保護法などで日本の報道が萎縮している可能性があると指摘したり、沖縄の米軍基地移設への抗議活動に対する当局の圧力が続いており、集会の自由と表現の自由を尊重するよう要請したりした。
さらに、17年の報告書で勧告した、特定秘密保護法の改正や、放送局に電波停止を命じる根拠となる放送法4条の廃止など11項目のうち9項目が未履行だとしている。 
今回のケイ氏の報告書公表に先立って、菅義偉官房長官は今年6月5日の記者会見でこう述べた。 
「報告書で指摘されている様々な論点について、日本政府の立場について累次の機会をとらえて丁寧に説明を重ねてきた。にもかかわらず日本政府の立場を十分に反映していない内容で極めて遺憾だ。不正確かつ根拠不明のものが多く含まれ、受け入れられない」 
今回の報告書については後述したいが、まずはケイ氏と彼を取り巻くネットワークについて説明する。
無名だったから適任? 
我々は、2017年に報告書が出て以降、ケイ氏が何者かについて調べてきた。
彼のように日本に関する知識もさほどないような人物がなぜ突然、日本叩きの国際舞台に登場し、どうやって日本に関する特別報告者に選ばれたのかがわからないからだ。
ケイ氏の肩書は「カリフォルニア州立大学アーバイン校の法学部特任教授」とある。
特任教授と和訳される「Clinical professor 」は米国の法学部の出世階段では一番下だ。
国連は、なぜもっと学術的に評判の高い経歴の人物を選ばなかったのだろうかという疑問を持つ。 
しかし、別の見方をすれば、ケイ氏の無名さが逆に役立つたといえるのかもしれない。
というのも、ケイ氏は一人で報告書を作成したわけではなく、日本叩きのネットワークと連携し、“使命”を果たしたからだ。
あまり目立たずに活動できるケイ氏は適任だったのかもしれない。 
ケイ氏が国連の舞台で反日の旗を振るようになったのは、ある人物と深く関係していると言ってもいい。
日本批判で悪名高い、コネティカット州立大学のアレクシス・ダデン教授と太いパイプを持つことが我々の調査で浮かび上がってきたのだ。 
ダデン氏と、ジョージタウン大学のジョーダン・サンド教授といえば、14年に米大手教育出版社「マグロウヒル」(本社・ニューヨーク)が出版した高校の世界史教科書に慰安婦の「強制連行」や「20万人の性的奴隷」と記述されたことなどをきっかけに、日本政府に慰安婦問題での全面謝罪を求める動きを主導した人物だ。
米国内の学者らによる署名も主導した。 
そのダデン氏は、16年4月にケイ氏が国連報告書作成のために訪問した日本からカリフォルニア州に戻った後、ケイ氏が所属するアーバイン校で開かれた会合で一緒に登壇している。
我々は、国連特別報告者と、米国で最も反日的として知られる“政治活動家”の関係に深い懸念を持つに至ったことから、調査を開始し、18年11月にケイ氏を雇用するカリフォルニア大学アーバイン校に情報公開法(FOIA)を使い情報公開請求を提出した。 
今年2月、アーバイン校は75ページほどのケイ氏の電子メールのやりとりを公開した。
しかし、同校も認めたが、公開した文書は情報公開法の対象となる記録のわずか一部だった。
大学はケイ氏の国連の活動に関する記録は公開情報ではないとして公開を拒否したのだ。 
我々は大学に対し、どの州、または連邦機関が国連の活動が公開情報の対象ではないと判断したのかと問い合わせたが回答はなかった。
大学が独断で決めたものだとみられる。
ケイ氏は表現や報道の自由の大変な擁護者であるにもかかわらず、我々がケイ氏の調査を始めると、彼の雇用者はたちまち沈黙の壁を建ててしまった。
漏れた情報公開請求 
さらに我々は、大学側に連邦法に則ってケイ氏の電子メールの公開を請求した。
彼が外国政府と関係を持っていないかどうか、独立性を確認するためだ。
すると、我々の二度目の請求から数日後の2月15日(日本時間)、東アジアを専門とする米有力ニュースレター「ネルソン・リポート」がそのことを報じた。
情報公開請求をしたことを誰にも明かしていなかったのに、ネルソン・リポートにはその内容が詳述されていた。 
ネルソン・リポートに書いたのはミンディ・カトラー氏。
彼女はダデン氏の協力者で、米国の反日活動家の一人である。
カトラー氏は特に慰安婦プロパガンダで声の大きい人物で、彼女のネットワークは学界のエスタブリッシュメントやメディア、ワシントンの主要な反日活動家を抱える。 
カトラー氏は、日系米国人で、米下院議員を務めたマイク・ホンダ氏の政治的ブレーンとしても名をはせている。
彼女の履歴書には「ホンダ議員の2007年の(米下院決議の)慰安婦決議案作成や弁護で助言した」とある。
ネルソン・リポートに掲載されたカトラー氏の投稿の見出しは「日本の右(翼)がFOIAを使って米国の学者を黙らせようとしている」で、内容は「日本の歴史を否定する者たち」が米国の学者らを黙らせようとしてきたと主張している。
しかも、我々について「両者は米国人男性で日本会議と、または幸福の科学と緊密に連携しているようにみえる。彼らの英語での記事は産経新聞の英文サイト、ジャパン・フォワードに掲載されている」と説明があった。
我々は日本会議幸福の科学とは一切関係がない。
その嘘の情報はどこからきているか知らないが、カトラー氏が英語で書かれているサイトを示していることから、恐らく、彼女は日本語の情報を十分把握していないのではないかと推測する。 
いずれにせよ、なぜカトラー氏が情報公開請求の存在を知っているのか。
これを探るため、我々は再度、アーバイン校の公文書事務局、特に記録担当のティア・ブロック氏とケイ氏の間の電子メール記録の公開を請求した。
ブロック氏が我々の情報公開請求をネルソン・リポートにリークしたことが疑われるからだ。
残念なことに、ケイ氏の雇用主はこうした我々のジャーナリストとしての活動や発言の自由への懸念を共有しないようだ。
請求に対して公開されたのは、大半が不完全な電子メールの記録などだった。 
ところが、今回は新たな展開があった。
驚くことに、大学側はブロック氏とケイ氏の間で交わされた電子メールは「弁護士と依頼人の特権」のため公開できないと主張してきたのだ。
新たな言い訳に驚いた我々は、ケイ氏がブロック氏の弁護士なのかどうかを問い合わせた。
何らかの証拠を求めたが、またしても回答はなかった。 
アーバイン校はこの主張を撤回していないが、これがもし虚偽であれば、関係者全員がジャーナリストと世論をだまそうとしたといえる。
法曹界でのケイ氏の評判にも影響しかねないことだ。
ケイ氏とダデン氏の電子メール 
アーバイン校がジャーナリストの問い合わせを全力をもって妨害しようとしたにもかかわらず、同校が公開したわずかな情報は、我々が抱いたケイ氏とダデン氏の協力関係を裏付けてくれた。
ケイ氏は日本の言論の自由について、2017年に国連に提出した報告占の作成過程で、ダデン氏に強く依存していたことがわかったのだ。
ケイ氏はある団体からのメールをダデン氏に転送し、それに対して彼女が嫌いなクループを「保守的」「極右」と分別してケイ氏に警告していたのだ。 
例えば、17年5月3日のメールで、ダデン氏はケイ氏とほかの2人に対し、日本の保守系団体「史実を世界に発信する会」についてこう警告していた。 
「このグループ(カセ・ビデキ氏率いる、ママ=正しくは加瀬英明氏)は安倍晋三政権と直接繋がっている」 
別の機会では、ダデン氏がケイ氏を指南している。
16年5月11日、ケイ氏は自身の国連での仕事について問い合わせてきた人物を割り出すことを手伝うようダデン氏に「私はこの人物を知らない。あなたは知っているか?」とメールしていた。 
同日、ダデン氏は「フジサンケイ・コミユニケーション・インターナショナル」と書かれたメールに「Ms. Kitajima」と返信。
そこには「ミス・キタジマはカリフォルニア州慰安婦像(設置)の阻止をもくろむ極右報道の中心的(存在)」とあったほか、「Wacky(狂ってる)」とも書かれていた。 
「Wacky」がその時の状況を表現したのか、キタジマ氏についてなのかはわからないが、ケイ氏はその点を明確にしようとはしなかったようだ。
ケイ氏は公の場ではジャーナリストへの攻撃を批判するが、プライペートのやりとりとはいえ、ジャーナリストが中傷されているかもしれないのに無反応だった。 
このやりとりの前日の5月10日、ダデン氏はケイ氏に、産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏に関する警告をメールしていた。
古森氏について「長年、産経新聞ワシントン支局長を務め、でっち上げしかやらない」と書いていた。
同じ日にダデン氏は再度、ケイ氏に「産経の古森が書いたとんでもない記事」についてメールしていた。 
ケイ氏はカリフォルニア大学アーバイン校教授のジェフリー・ワッサーストローム氏からも支援を受けていた。
同氏は、極左社会主義雑誌「ディセント」の編集者の一人で、ダデン氏に近い。
ワッサーストローム氏も産経新聞のことを好んでいない。
16年5月10日に同氏にダデン氏からメールが届いた。
そのメールはケイ氏にも同時送信されていたが、その中身は、産経の記事で「デービッド」が「容赦ない、ばかばかしい扱いをされている」というものだった。
ほかのメールでのやりとりではワッサーストローム氏がケイ、ダデン両氏に対し、国連の活動について3人に連絡してくる人たちが政治的に善意があるかどうかの判別を手伝っていた。


突っ込みどころ満載の国連報告書 
ケイ氏が六月に国連人権理事会に提出した日本に関する報告書は、その形式からは明白な戦略が見て取れる。
日本は南米ホンジュラスやトルコ、西アフリカのコートジボワールと共に注意を受けた。
日本をこれらの国と同じグループにすることで、日本が世界でも表現の自由報道の自由で最下位にあるという印象を与えようとしているのは明白だ。 
報告書に間違いがあることは誰がみてもわかる。
例えば、報告書のパラグラフ2には「特別報告者は(中略)市民社会や関係者からの意見提出を公に要請した」とある。
しかし、これで言及されていないことは、ダデン、ワッサーストローム両氏やほかの極左反日米国人の学界の協力を受けて、ケイ氏が、国連特別報告者として所定の結果にそぐわない意見は単に無視したことだ。 
さらに、報告書は偽善と矛盾に満ちている。
例えば、パラグラフ5でケイ氏は「情報へのアクセスに与える特定秘密保護法の影響」を嘆く。
しかし、ケイ氏の雇用主は、恐らくケイ氏も把握していたと思うが、ケイ氏の国連報告書の特定秘密を守るために米国の法律をひけらかす。
パラグラフ6でケイ氏は「情報へのアクセス」について不満を表明し、パラグラフ8で「国家(この場合は日本)はどのような場合でも、報道内容が重大、または微妙なものでもジャーナリストを非難することを避けなければならない」とある。 
しかし、残念なことに、ケイ氏と彼の極左の友人たちは我々の「情報へのアクセス」を認めなかったし、我々やほかのジャーナリストがケイ氏と彼の人脈を調査していた時、我々は彼らの人脈によって「非難された」。
ケイ氏はこの点について何も言及していなかった。 
パラグラフ10は、「慰安婦」と日本の「歴史的な犯罪」についてである。
この段落はほとんどが慰安婦問題活動家のダデン氏による報告だと見てもおかしくない。
ダデン氏にとって、ケイ氏とつきあうのは極めて便利な話で、だからこそダデン氏は国連の文書へのアクセスを持ち、主要な国際機関のお墨付きを得た、慰安婦プロパガンダを書くことができるのだ。
ジャーナリストがこの動きを暴露しようとした時、ケイ氏は自身が提唱するジャーナリズムの開放性の基準に従うことはしない。 
最後に、パラグラフ6と資料1に掲載されているケイ氏の「歴史教育への介入」に関する日本批判の大半は、慰安婦問題プロパガンダのように、フェイクニュースを根拠にしている。
神戸大学の木村幹教授が丁寧な調査を基に執筆した日韓関係に関する複数の著書によると、例えば、1980年代に起きた「歴史教科書論争」(日本、韓国、米国の多くの人たちは日本の“右傾化”の証拠と受け止めた)は、統計的に根拠がなかったことが示されている。
問題でもないことに関する誤った報道は昭和57年9月19日付の朝日新聞によって行われた。
以来、今日まで朝日新聞と米国の学界は“フェイクニュース・ワルツ”で仮想のダンスパートナーである。
そして、いまはケイ氏が方向性を決めているのだ。

国連の隠れ蓑 

全体からみて、浮かび上がる図式は極めて問題である。
デービッド・ケイ氏という偏向し、最近設立され、知名度のないロースクールの教員である人物が、米国学界内の政治的エージェントによって、日本政府が言論の自由を規制しているという日本叩きの報告書を国連という隠れ蓑の下で作成する工作に利用されたようにみえるからだ。 
もっといえば、報告書は偽善的で、かつ教員室から米国の同盟国に向けられた、反日左翼による政治的な“汚い戦争”をカムフラージュするためのものでもある。
さらにいえば、ケイ氏は米国で新著を出版したばかりで、国連報告書と自著出版の時期は偶然の一致ではないとみることも可能である。
彼のツイッターの書き込みは新著に関する内容や本を持って読者と写った写真であふれている。 
驚くべきことはこれだけで尽きない。
ケイ氏をめぐる共謀はもっと大規模だったのだ。
なんと、ダデン氏がケイ氏に日本国内の保守派を無視するよう指導したメールの中で、ダデン氏がカリフォルニア州選出の民主党下院議員で、現在は下院議長を務めるナンシー・ペロシ氏に慰安婦問題で連絡を取ると約束していたのだ。
ダデン氏はワシントンの左翼陣営とのつきあいがあるようだ。
彼女はその政治的立場を利用して米国の学界で政治力を高め、自身が得た情報をケイ氏に提供していたとみられる。 
忘れてはならないのは、ダデン氏は、米国の極左教授陣の一人であるシカゴ大名誉教授のノーマ・フィールド氏の弟子であることだ。
ダデン氏はあくまでもマーガレット・ミードやルース・ペネディクト、E・ハーバート・ノーマンといった共産主義者で、日本人に罪の意識を植え付けた「ウオー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP)」支持者に繋がる。 
このようにケイ氏をめぐる反日ネットワークはとどまるところを知らない。
我々は今後も調査対象を広げて、反日の背景を探る考えだ。
なんといっても、ケイ氏自身が言論の自由を高く評価しているので、今まで隠されてきた情報を全て開示し、フリー・スピーチの模範を見せるつもりだ。