中国の米国侵略は、ついにホワイトハウスに到達し、もはや「公然の秘密」ですらなくなりつつある
バイデンに書簡を送り、「BLMグループが6,000万票の集票に寄与した」として、政策的見返りを求めた
過激に生まれ変わったBLMは、大統領選挙の2020年、満を持して本丸である「打倒トランプ」に動いた
民主党左派勢力と共鳴・連携し、アメリカ国内に社会主義や共産主義を受け入れる土壌を醸成した
3年の準備期間を経て、大統領選の年の5月にBLM運動を一気に過激化させ、全米を大いに騒擾させた。
中国共産党にとっては「自由主義陣営と国境を接しない」という方針は、絶対に揺るがせにできない、いわば国是
トランプ政権は、習近平にとって「取り付くシマのない」、最も厄介な敵であり続けた。
2020年11月28日
一昨日発売された月刊誌HanadaとWiLLの購読者は、今、砂漠に水が滲み込むように一気に読んでいるはずである。
日米の、否、世界のマスメディアが伝えない真相を、世界最高の知性と自由の国である日本が誇る本物の学者や評論家が明らかにしている労作が満載されているからだ。
読者諸氏は皆、マスメディアの出鱈目さに暗澹たる思いを感じながら読んでいるはずである。
以下の山口敬之氏も本物である。
彼が大手メディアでワシントン支局長をしていた時、米国で、言わばキャバクラ嬢をしていた有名人狙いの上昇志向の女に嵌められた経緯を私はつぶさに知っている。
彼は真のジャーナリストだったから、安倍首相に認められていた。
その事ゆえに、反安倍だけで生計を立てている左翼の格好の標的になった。
正に冤罪で、彼は大手メディアの要職を失った。
彼が本物である事と、彼を嵌めた女性と左翼の人間達がどれほどの悪党達であるかは、本論を読めば一目瞭然だろう。
トランプvs.中国共産党最後の死闘
中国共産党、最大の天敵
大統領選挙の結果について徹底抗戦を続けていたトランプ大統領は11月7日、こんなコメントを出した。
「マルクス主義は平等、平和、幸福を約束していますが、実際には、不平等、暴力、絶望の結果にしかなりません」
「我々はこうした陰湿な思想に立ち向かうことを約束し、米国が決して社会主義国にならないことを大きな誇りを持って誓います」
これは、「共産主義によって犠牲となった者のための国民記念日」に寄せて出したメッセージであり、今回の大統領選挙とは直接の関係はない。
しかし、この記念日をトランプ自らが制定した2017年という年を考えた時、そして混迷する大統領選の最中にこの日を迎えたという偶然に、背筋の凍る思いを禁じ得ない。
トランプ大統領は2016年の米大統領選選挙期間中から、中国が米製造業を空洞化させ、そこで働く労働者の生活を困窮させているとして対中経済関係を見直すと公約。
大統領に就任すると、間髪を容れず「共産主義中国」と全面対決する姿勢を明確にした。
対中最強硬派として知られるカリフォルニア大学の経済学者ピーター・ナヴァロを政権中枢に迎え、中国をアメリカや国際秩序に挑戦する「修正主義国家」「競争相手」と呼び、「力による平和」を訴えた。
中国の多くの輸出品に高額な関税を課し、通信覇権を巡ってはファーウェイを排除するように世界に圧力をかけ、アメリカ国内の領事館を閉鎖させるなど、ヒト・モノ・カネのあらゆる手段を使って締め上げた。
重要閣僚が次々と更迭されるトランプ政権にあって、ナヴァロは一貫して閣内にいてトランプを支え続けた。
ナヴァロが中枢で対中外交を指揮するトランプ政権は、習近平にとって「取り付くシマのない」、最も厄介な敵であり続けた。
中国に最悪のシナリオ
もう一つ、中国にとって最悪だったのが、北朝鮮の扱いだった。
トランプ以前のアメリカの大統領は、「完全な非核化に合意しない限り、北朝鮮のリーダーとは直接対話しない」という方針を堅持していた。
だから「6者協議」という中露日韓を加えた多国間の枠組みで北朝鮮と向き合った。
前号の寄稿(「中国が尖閣を取りに来た!」)で詳述したように、中国共産党にとっては「自由主義陣営と国境を接しない」という方針は、絶対に揺るがせにできない、いわば国是である。
だからこそ多くの犠牲を払って朝鮮戦争を戦った。
そして自由主義陣営である韓国との国境線を遠ざけるために、長年にわたり北朝鮮を支援してきたのだ。
そして、6者協議の枠組みこそ、
・中国の頭越しに米朝和平を進めさせない
・北朝鮮を民主化させない
・自由主義陣営と国境線を接しない という、中国の「国是」の維持に極めて都合のいい仕組みだったのだ。
ところが、トランプは2018年6月を皮切りに3度の米朝首脳会談を行い、金正恩との直接対話に乗り出した。
米朝が平和条約を結び、日米が中心となって北朝鮮に巨額の支援を行う展開となれば、北朝鮮の民主化=自由主義陣営入りという、中国にとって最悪のシナリオが一気に現実味を帯びてくる。
もし、トランプが再選されるようなことがあれば、2期目の4年間で米朝和平が実現してしまう可能性が極めて高い。
2017年初頭には、「トランプの再選阻止」は、中国共産党にとっては、自らの存続をかけた至上命題となっていたはずだ。
黒人団体の裏に中国共産党
2020年5月にアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイド氏が警察の取締りの過程で亡くなったことを発端に、抗議活動やデモが全米を席巻し、その後、多くの地域で暴動化。
シアトルなどの都市では、デモ隊が警察を追い出して街区を占拠したことは記憶に新しい。
今世紀に入ってからは、黒人が警察官に殺害される事件が起こるたびに、各地で散発的に抗議デモが行われることはあった。
この「Black Lives Matter」(黒人の命を尊重しろ)運動を、今年一気に全米の同時多発的デモに誘導し、過激化を煽動したのが、「黒人未来研究所」(Black Future Lab)だ。
この団体は2017年7月1日にアメリカのカリフォルニアで設立された。
設立資金を提供したのが「華人進歩會」(CPA:Chinese Progressive Association)だ。
黒人未来研究所のホームページには、堂々とこう明記されている。
「黒人未来研究所は華人進歩會から資金提供を受けたプロジェクトです」Black Future Lab is a fiscally sponsered project of the Chinese Progressive Association)
全米でデモという名の社会騒擾を煽動し、商店に火をつけ略奪を繰り返したBLM運動は、アリシア・ガーザ(Alicia Garza))とパトリッセ・カラーズ (Patrisse Cullors)という二人の黒人女性が牽引している。
彼女らは、自ら「訓練されたマルクス主義者である」と明言している。
そもそも黒人の権利を守るために設立されたはずの団体が、2017年夏の設立時に掲げた最初の運動方針は、なんと「打倒トランプ」だった。
そして3年の準備期間を経て、大統領選の年の5月にBLM運動を一気に過激化させ、全米を大いに騒擾させた。
中国外務省の趙立堅報道官はBLMデモに関連して、「人種差別は米国社会の慢性病だ」「米国が香港独立派や暴力分子を英雄や活動家としてもてはやす一方、人種差別に抗議する人々を『暴徒』と呼ぶのはなぜなのか」と、強烈なイヤミを吐いた。
これに対し、オブライエン大統領補佐官は「中国をはじめとする一部の国は、米国での抗議行動の組織化に関与している」と主張した。
こうした米中の丁々発止のやり取りが行われたのは、中国共産党の人権弾圧の象徴となっている天安門事件記念日の3日前だ。
中国が最も隠蔽したい天安門事件記念日の直前に、中国系の資金を受けた黒人の共産主義団体が「反トランプ」を叫んで放火と略奪を繰り返す。
そして犯罪行為の制圧を巡って、中国がアメリカを批判する。
6月4日の記者会見で、ウィリアム・バー司法長官はBLMデモが暴徒化したことについて、「反ファシズムを掲げる極左組織アンティファや、類似過激派組織による煽動の証拠がある」と明言した。
BLMとアンティフア
アンティファという名称はアンチ・ファシズム(反ファシズム)を意味し、1930年代にナチス・ドイツに対抗するとして、ソ連が組織した社会主義者らのグループに由来する。
アメリカでアンティファが表立った活動を始めるのは90年代後半に入ってからで、まず「平等、博愛、弱者救済」といった誰もが反対しにくい社会正義を掲げた。
そして人種差別、性差別、LGBTといった問題を基点に、これに異論を唱える保守主義を攻撃した。
この動きは民主党左派勢力と共鳴・連携し、アメリカ国内に社会主義や共産主義を受け入れる土壌を醸成した。
*米国内だけではなく日本のNHK・watch9などにも土壌は醸成されている事は彼らの報道内容を見れば明らかだろう*
こうした「空気の変化」によって、バーニー・サンダースやエリザベス・ウォーレンといった、これまでは極左に分類されてもおかしくない政治家が、アメリカ政界で一定の支持を受けるようになっていった。
しかし、アンティファは基本的には本部や全国的な組織を持たない分散的な組織と見られており、当初は白人至上主義者グループのイベントを妨害する、いわば受け身の活動が主流だった。
しかし2016年の大統領選でトランプが勝利し、保守系の活動が活発化すると、対抗するようにアンティファの活動も過激化し、全米各地で暴力も厭わない過激な運動に向かっていた。
そこに、「絶妙なタイミング」で登場したのが黒人未来研究所だ。
彼女らは、2年かけて比較的平和な運動だったBLMを乗っ取り、アンティフアも動員して、全米に「社会騒擾システム」を配備した。
アンティフアが前に出ることで、結果として中国共産党は陰に隠れることができた。
そして過激に生まれ変わったBLMは、大統領選挙の2020年、満を持して本丸である「打倒トランプ」に動いたのである。
カラーズは11月11日、バイデンに書簡を送り、「BLMグループが6,000万票の集票に寄与した」として、政策的見返りを求めた。
何より驚かされたのは、この報道をバイデン側が否定しなかったことだ。
中国の米国侵略は、ついにホワイトハウスに到達し、もはや「公然の秘密」ですらなくなりつつある。
この稿続く。